睡眠時無呼吸症候群の治療
CPAP(鼻につける持続陽圧呼吸療法装置)の治療が必要か否かを決めます。CPAPにより治療すると、多くの患者さんから、深い睡眠がとれ昼間の眠気がなくなったと言われます。
当院での睡眠時無呼吸症候群の治療目標
大切なことは、早期に睡眠時無呼吸症候群と診断しCPAPで治療することです。正常な睡眠をとることは、人間の生命の維持には必要不可欠であり、将来の動脈硬化の予防にも有効です。いびきをかき無呼吸が認められるときは、睡眠時無呼吸症候群の可能性がありますので、いつでもお気軽にご相談下さい。
睡眠時無呼吸症候群の診断
睡眠中に手の指にパルスオキシメーターと言う小さな機器を装着して眠っていただきます。睡眠時無呼吸症候群があれば、酸素が低下することでその存在が推定できます。次のステップは、精密検査が必要ですので、私どものクリニックと連携しております昭和大学病院で脳波などを含めたポリソムノグラフィーの検査を受けていただきます。この検査で重症度が解り、中等症から重症の患者さんは治療が必要です。
睡眠時無呼吸症候群患者の予後
睡眠時無呼吸症候群の危険性は昼間の居眠りも重要ですが、実は睡眠時無呼吸症候群患者の生命予後が悪いことがさらに重要なのです。重症の患者さんを10年間無治療でいると約3人が心筋梗塞や脳梗塞などで死亡します。睡眠時無呼吸症候群の患者は、高血圧や糖尿病、高脂血症と言った生活習慣病を合併しやすく、さらに夜間の無呼吸による繰り返される低酸素血症のため、動脈硬化の進行が加速されることが美濃口健治を中心とした昭和大学第一内科の研究チームにより解明されてきております。特に睡眠時無呼吸症候群患者さんは肥満の方が多く、肥満のみでも高血圧や糖尿病、高脂血症と言った生活習慣病を合併しやすいので生命予後は不良ですが、肥満患者がOSASを睡眠時無呼吸症候群を合併するとさらに死亡率が増加します。
睡眠時無呼吸症候群の症状
睡眠時無呼吸症候群の症状は、睡眠中のいびきや呼吸が停止(無呼吸)することや、朝起きたときの頭痛、夜間の頻尿、昼間の居眠りなどが代表的な症状です。なぜ、昼間に居眠りをしてしまうかと言うと、無呼吸が起こると血中の酸素が低下し、脳が深く眠ることができないからです。この昼間の居眠りは仕事中や重要な会議中でもおこりますし、最も危険なのは車などの運転中に居眠りをすると事故につながります。数年前に新幹線の運転手が睡眠時無呼吸症候群のため居眠り運転をしたことが、マスコミで取り上げられたことは記憶に新しいことと思います。
睡眠時無呼吸症候群とはどのような病気か
睡眠中にいびきをかき、さらに10秒以上呼吸が停止してしまうことが1時間に5回以上あると睡眠時無呼吸症候群と診断されます。睡眠時無呼吸症候群にはのどが閉塞する閉塞型と、脳の呼吸中枢の異常による中枢型の2つのタイプがありますが、肥満などに関連した閉塞型が90%以上を占めます。